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  • 執筆者の写真Masaike Eiichi

オンライン墓参りまとめ - 多様化するインターネット墓参り

更新日:2021年7月4日



墓参りは、お盆、お彼岸、故人の命日などに行うことが多い日本人にとっては馴染み深い行事です。しかし、地元から離れて働く人が増加し高齢化するのに伴い、定期的に墓参りすることが、年々難しくなっていると感じている人は少なくないでしょう。

さらに2020年から世界的に流行した新型コロナウイルス感染症の影響もあり、全国石製品協同組合の調査によれば2020年にお墓参りを行った人の割合は63.9%で、2016年と比べると25.4%も減少しています。

今回はインターネット墓参りの概要や形式、メリットなど基本的な知識をまとめて紹介します。皆さまの墓参りについてのお悩み解決に役立ちましたら幸いです。



多様化するオンライン墓参りの形式

インターネット墓参り(オンライン墓参り)とは、従来、お墓に赴いて行う必要があったお参りをインターネットを介して行う仕組みのことです。デジタル技術と日本の伝統的なしきたりを組み合わせた新しいカタチのサービスで、インターネットやスマートフォンの普及にともなって、急激に発展を遂げています。

また、インターネット墓参りはサーバー上の「バーチャル霊園(仮想霊園)」か「実在するお墓」にカメラなどを通して「バーチャルに参る」の2種類に大別できます。まずはそれぞれの特徴を簡単に確認してみましょう。


バーチャル霊園(仮想霊園)にお参りする形式

実在しないお墓である「バーチャル霊園(仮想霊園)」をインターネット上に創造し、そこにお参りする形式です。海外では一般的になりつつある方法で、費用が安く、どこからでもお参りできることがメリットです。しかし、お墓参りの文化がある日本人にとっては、バーチャル霊園へのお参りでは「物足りなさ」を感じてしまうという人は少なくありません。


実在するお墓にお参りする形式

お墓の画像や動画をパソコンなどで見ながらお参りする形式も、オンライン墓参りの主要な方法の1つです。本物のお墓の画像、もしくはリアルタイムな映像を見られるので、バーチャル霊園と比べてリアル感が高く、いつもと変わらない気持ちでお参りすることができます。

ネットで注文できる従来の「墓参り代行」もオンライン墓参りの一種といえます。


オンライン墓参りのメリット

  • 遠方からでも簡単に墓参りが可能

海外で働く人の増加や首都圏への一極集中など、お墓との物理的な距離が離れてしまうケースは珍しくありません。また、お墓が車を乗らなければたどり着けない場所にある場合、高齢になるとお参りができなくなってしまう場合が多々あります。オンライン墓参りであれば、パソコンやタブレットがあればいつでもどこでもお参りすることができるので、お参りする人にとって大変優しい環境といえます。

  • お墓の管理が簡単になる

特にインターネット上にお墓をつくる「バーチャル霊園」の場合、定期的に掃除したり、お供えした花や水を入れ換えたりする必要はありません。

  • 家計に優しい

一般的に新規にお墓を建てるには100万円以上が必要だとされており、さらに維持費として毎年2万円程度が発生するとされています。また、墓参りのために帰省する交通費なども高額になる場合もあるでしょう。オンライン墓参りでは、それらの費用がいらないので、家計にも優しいといえます。


オンライン墓参りの利用手順

オンライン墓参りは基本的に会員登録しなければ利用することはできません。大抵の場合、以下の項目を入力するのが一般的です。

  • 一般的なインターネット墓参りの申込手順

  1. 名前、住所、電話番号などの利用者情報を登録

  2. 故人の名前、戒名・法名、生年月日、没年月日などを入力

  3. 実在するお墓の画像や墓の墓地の区画番号などを送信(バーチャル霊園の場合はCG作成依頼)

  4. パスワードや支払い方法、公開設定を決定


提供する企業やサービスによって異なるものの、大まかな流れは以上になります。手続きが終了すると、利用するサイトにログインすればお墓の写真やCGを見ることが可能です。

表示されるのはただのお墓の画像ではなく、線香をあげられたり、手を合わせる映像が流れるなどリアルな墓参りを再現した映像などが流れたりするサービスなどもあります。

このようなインターネット墓参りのサービスのなかから、特に知ってほしいものをピックアップして以下で紹介します。


インターネットで墓参の模様の撮影・生中継サービス

インターネット墓参り「代行」とも称され、墓参りできない人に代わってスタッフが実際にお墓に赴いて映像や画像などを共有するサービスです。従来の墓参り代行と同じく、水拭き掃除なども行ってくれるほか、実際に色花や線香、シビキ、ローソクなども1000~2000円程度で供えることも可能です。また業者によってはその光景をライブ中継し、お参りの際は一緒に手を合わせられます。

リアルな墓参りを体験できるだけでなく、他人にお墓を任せてしまう際に感じることが多い不安などの解消にも役立つサービスといえるでしょう。



ネットとリアルを組み合わせたサービス

実在する霊園が、利用者向けのインターネット墓参りのサービスを提供しているケースもあります。初回登録することで霊園内にある墓所の画像が閲覧可能になり、パソコンやタブレットを通じてお参りすることができます。

さらに有償で実際に供花するサービスを実施している霊園もあり、利用すると供花時の写真をアップしてもらえます。すべての霊園でインターネット墓参りを利用できるわけでありませんが、一度、契約している霊園に同様のサービスがあるかを確認してみる価値はあるでしょう。



Webページを参拝先としたサービス

米国では、お墓ではなく故人のホームページやオンラインアルバムに対して参拝をするのが人気です。すでに数百万の規模のユーザーを抱えるサービスもあります。お墓参りの文化がある日本では、普及は難しいようです。



オンラインでお参り動画の撮影を依頼できるサービス

様々な理由で直接、墓参りできない人に代わってお参りし、墓前で依頼者の音声メッセージを流しながら動画を撮影するサービスです。株式会社ジャムコムが提供するバーチャル墓参アプリ「セレモビ」は、1回3,000円でお墓参りを依頼することができます。オプションで生花・線香などを選択できるほか、カンタンに墓前メッセージを録音することができます。さらに過去動画はトップページから再生可能で、何度でもみることができます。スマホ操作が苦手なシニア層にも優しいインターフェースとなっています。



アプリを活用したサービス

シニアが主なユーザーと想定されるエンディング産業においては、スマートフォン・アプリを活用したサービスはまだ少ないのが現状です。オンライン墓参りとは異なりますが、アプリを使ったサービスをご紹介します。

故人の情報を記録して管理するためのアプリでは、戒名・法名戒名、俗名、没年月日、行年(享年)などの情報はもちろん、故人の写真やエピソードなどを記録。後の世代に鮮明に残すことができます。さらにお墓を管理している寺院や石材店、霊園、納骨堂と専用ページを通して簡単につながれるので、もしものときの備えにもつながります。

遺言をテキストで残すアプリも開発されています。スマートフォンだけで司法書士が監修した法的効力がある遺言の見本を作成することができます。チャットで投げかけられる質問に対して回答するだけで、残すべきことを提案してくれます。

遺言メッセージを動画で残すサービスは、アプリのガイドに従って撮影するだけで簡単に遺書動画の作成が可能。アプリの利用方法も簡単で、シニアの方でも手軽に利用できます。


10年後、オンライン墓参りはあたりまえの世の中に

少子化や地方の人口流出に歯止めがかからない状況が続きており、墓参りとは疎遠になってしまう人が増え続けるのはトレンドであり、新型コロナウィルス感染症がそれに拍車をかけています。

例えば毎年お盆にお墓参りに行くという習慣のある方が、一度インターネット『代行』で済ませてしまうと、二度・三度と繰り返すことが予想されます。また、遠方のためこれまで墓参りをしなかった親戚が、オンラインで墓参りをするようになるということもあるでしょう。

セレモビは、「ユーザーが大切な人を想い偲ぶことをサポートする」を標榜しています。したくてもなかなかできない大切な人の毎月命日のお墓参り、怪我や病気をした人が自宅や病院に居ながらできる墓参り。信頼性とともに低価格を実現した新しいお墓参りのカタチです。

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